結婚式に温かさを加えてくれる、カリグラフィーに恋いこがれて。

古い紙、古い本が好きで、古書店や古道具屋にはついつい長居してしまいます。
色褪せた紙や古い写真、少しにじんだ文字、ずれた色…。
そこに見え隠れする、ものづくりに関わる人々の息吹や体温の気配に、
どうしてもひきつけられてしまう。

かつて、一つの印刷物を作るのに、
写真はアナログカメラでフィルム、
レイアウトは切り貼りの手作業、
修正は赤いペンでゲラ刷りに書き込む、
挿絵は手描き、
レタリングも手描き、
それが当たり前でした。

人々がパソコンでデザインの作業をするようになる前、
一つの印刷物を作り出すのに、人はとても手間をかけていました。
ですから、読む人も心をこめて手に取ってくれたのでしょう。
作り手の「良いものを作ろう」という気持ちと、読み手の「大切にしよう」という気持ちの
バランスがとれていたのかもしれません。
そんなものづくりが当たり前だった頃への、懐かしさや憧れが
AISUのスタッフみんなの中に温かく、息づいています。

手書きの文字は、そんな温かさの結晶のようなものだと思っています。
私たちがAISUで、意図せずに、いろいろなアイテムでおふたりの手書きの文字を取り入れることをおすすめするのも、
そういった思いの表れなのかもしれません。

私たちがカリグラフィーを用いるのも、同じ思いによるもの。
おふたりの手書きの文字にはとても敵いませんが、カリグラフィーにも
パソコンでは生み出せない温かさが宿っています。
結婚式という、人生の節目となるハレの場には、人の手の温もりが欠かせません。
カリグラフィーのようなフォントが簡単に使える今、あらためて手書きの大切さや尊さを感じます。

カリグラフィーのなかでも、モダンカリグラフィーというスタイルが、
私たち日本人には合っている、と思っています。
AISUで用いているのも、モダンカリグラフィーです。
ある程度の綴り方のルールはあるものの、書き手のクセや好みによって自由に書き綴ることができる、
日本人が親しんできた「書」のニュアンスと近いような…

そして特に素晴らしいこと、それは…
モダンカリグラフィーは結婚式をとても品良く華やかにしてくれる、ということ!